学校給食の民間委託問題

市民の議論をまき起こそう

■合併による職員数減らし

　鶴岡市では学校給食の民間委託の検討が進められています。

　民間委託の一番の理由は、市町村合併による交付税減額に対応するための職員数減らしです。

　市では調理員などの技能労務職員に試験を受けさせ、一般職に任用替えを進めており、荘内病院の給食では先行して進められ、病院給食の民間委託が４月から強行されました。

■市が献立・食材・調理の指示

　６月議会一般質問で、渡辺洋井議員（市民クラブ）が「学校給食の民間委託の検討状況」を尋ねたのに対し、難波信昭教育長は、「現在５つのセンターでは調理業務、食器等の洗浄・保管業務について民間委託の検討をおこなっている」と明らかにしました。

　今後民間委託を進めるにあたっては、「市が献立の作成、食材の購入、調理の指示、調理物の検査などをおこない、委託業者が調理作業、配缶作業、洗浄消毒作業等をおこなうことを検討している」と答えています。

　委託をおこなう時期や施設については、「今後の技能職員数の動向や、現在あるセンターをどう効率よく機能させるかなど課題も多くあるので、一つ一つ整理をして検討していく」としています。

■学校給食の委託進む庄内

■酒田市では

　庄内での学校給食の委託の状況は、酒田市が平成17年（2005）10月26日、中学校の完全給食を開始し、３中、６中、平田中、鳥海中が酒田市の(株)庄内給食センター受注。他は同(株)ブランチが受注。

　ご飯とお汁は食缶で、おかずは個別のランチボックス（弁当箱）に入れて配送しています。

　八幡中（自校方式）が鳥海中と今年合併し、(株)庄内給食センターに委託開始。

　小学校は平成18年７月28日、酒田市学校給食調理員夏期研修会で突然、教育委員会が「平成19年度は松原小、20年度は浜田・富士見・宮野浦・亀城小、21年度は泉・八幡・平田・松山小で民間委託をする」と発表。松原・宮野浦・亀城小は(株)ブランチが、浜田・富士見小は(株)庄内給食センターが受注しました。

　しかし、21年度は計画を実施していません。

■三川町や遊佐町も

　三川町は昨年（2009）４月から小学校３校を鶴岡市の療食(株)ベストに委託開始し、中学校１校は改築後に委託化する計画です。

　遊佐中は19年度（2007）から療食(株)ベストに委託し、小学校は自校直営です。

■偽装請負の指摘で食材購入は業者

　酒田市では、今年度４月から松原小学校の給食委託について、食材の購入についても全面委託となりました。

　この経緯について、酒田市議会３月議会で加藤裕教育部長は、「現在の調理業務だけの委託といいますのは法的な問題、偽装請負の疑いがどうしてもぬぐえないといったような御指摘がありまして、こんなことではできるだけ疑いのないような契約に変えたいということがあります。」と答弁しています（石黒覚議員総括質問、平22・３・３酒田市議会本会議）。

　当初、松原小の保護者会への説明会（平18・11・27）では、酒田市教育委員会は食材について、「統一献立で市が食材を選定し発注するのは変わらない」と説明していました。

　業者に丸投げしない限り「偽装請負」となる民間委託で、学校給食はどうなるのか、市民の議論をまき起こしましょう。

鶴岡市の給食の状況

	方式	処理能力	H22食数	対象施設	炊飯	搬送	職員数
鶴岡	センター	14,000食	8,757	小21、中６	委託	委託10台	正48、臨15
藤島	センター	1,500食	1,397	小４、中１、他３	委託	委託２台直営１台	正８、臨９
羽黒	自校給食	1,500食	835	小４、中１、幼２	直営	搬送なし	正７、臨８
櫛引	センター	1,200食	762	小４、中１	委託	委託１台	正５、臨６
朝日	センター	1,000食	403	小４、中１	直営	委託２台	正５、臨２
温海	センター	1,000食	744	小５、中１	委託	委託２台	正８、臨１

☆羽黒幼稚園は４箇所のうち２箇所入園なし。藤島搬送の直営車は運転委託。

市の学校給食の委託問題について市民の議論をまき起こしましょう。
☆ 学校給食を考える会 ☆

８月24日（火）午後６時30分〜8時30分

こぴあ・２階・和室

主催・考える会準備会

※どなたでも参加できます。

・ふじしまの学校給食の実践／２００万部発行の季刊誌で紹介（民報藤島2010年8月8日）