暑い夏がやってきました。ヒロシマ、ナガサキを中心に原水爆禁止の活動が世界各地で取り組まれています。
鶴岡市では、２００７年３月に「鶴岡市平和都市宣言に関する請願」が採択され、２００８年２月に「宣言案」が議会に提起されました。
しかし、その宣言案の内容は合併前の旧自治体の宣言に全て含まれていた「核兵器の廃絶」が消え、「大量破壊兵器」に置き換えられたものでした。
共産党市議団は核兵器廃絶を入れるように主張しました。
平和団体等が核兵器廃絶を入れるように署名活動をおこない、市にも申し入れました。
核兵器廃絶は現在の平和問題の最大の焦点であり、それ抜きの宣言はあり得ません。
以下その主な点について述べてみたいと思います。
■大量破壊兵器と核兵器
大量破壊兵器は、生物兵器、化学兵器、放射能兵器、核兵器が含まれると言われます。
しかし、生物兵器は１９２５年のジュネーブ議定書によって使用が禁止されました。
化学兵器は１９９７年に開発、生産、貯蔵が禁止されています。
放射能兵器は実戦上役に立たないとされ実戦配備している国はありません。
現在問題になっているクラスター弾は、開発、製造、取得、貯蔵、移譲の禁止が今年５月、ダブリンで合意され、12月にオスロで調印式をおこなうことになっています。
核兵器はどうか。
核兵器は世界に２万７千発存在し、地球を十数回破壊するだけの威力をもつと言われています。
それだけでなく２次３次の悲惨な被害が長期間にわたって続き、人類の生存と相容れない兵器です。
にもかかわらず、核兵器廃絶の有効で具体的な措置は講じられていません。
鶴岡市の平和宣言に核兵器廃絶を明記することは、核兵器廃絶への貴重な一歩となるものです。
■07年３月の請願に「核兵器廃絶」含まれる
07年９月市議会に「非核日本宣言を求める請願」が提案され、議会では賛成少数で否決されました。
この請願を審査した総務常任委員会で、新政クラブの本間新兵ェ議員は次のような反対討論をおこないました。
「本年３月定例会で、『鶴岡市平和都市宣言に関する請願』として採択した経緯があり、（中略）その内容は戦争・紛争の根絶、そして世界で唯一被爆国である日本の立場から核兵器の根絶を求めて、平和への思いと決意を唱えた内容であったと理解している」と述べました。
要するに、平和宣言の請願採択で核兵器廃絶を意思表示しているので「非核日本宣言」は必要ないとしたものでした。
この態度の理論矛盾は置くとして、平和宣言に「核兵器根絶」は入るものと表明しています。
07年６月議会で富塚市長は、共産党議員の「核兵器廃絶への市長の認識は」との質問に、「日本は世界唯一の被爆国でありますので、核兵器の廃絶による世界の平和を願う気持ちというのは多くの国民がだれでも持っているものであると思っております」と答弁しています。
これらのことも総合的に考えるなら、鶴岡市平和都市宣言に「核兵器廃絶」は不可欠です。将来にわたって「いい宣言」と言えるように（加藤太一議員）。
